第5章 糖度:30%
(....198…199…200…!)
「っはぁ.....はぁ......」
(こんなんで疲れてたまるかよ、
あの雄英生はもっと、がっしりして...!
茅野もあいつのことかっこいいって言ってたしきっと、筋肉ある方が好きだろ
クソ、負けたくねぇ...!!!)
※ちなみに茅野がかっこいいと言ったのは、見た目ではなく
ヴィランを倒したことについてです。
自分を奮い立たせながらいつもの2倍の腕立て伏せをしていると、なにやら自分の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
(ババアだ、
クソ、おつかいか?!
卵か牛乳か唐辛子か?!なんだ?!)
「あ"ぁ?!」
筋トレの途中に呼ばれて腹が立ったが、無視してどうなるかは安易に想像がつくため素直に返事(?)をして下へ降りた。
「勝己、ってうわ?!汗だくで降りてくんな!!
てか上裸で筋トレすんな!!ほらタオル!!」
キッチンに顔を出すとまた小言を言われた。
結局、降りても無視して降りてこなくても小言は言われるのだ。
「...ッチ、んでなんだよ?!」
「あぁ、茅野ちゃん家にこれ届けてきてよ
この前茅野ちゃんに食べたいって言われたからたくさん作ったの」
そこにはから揚げが大量にあった。
そういえば茅野はババアのから揚げが好きっていつも言ってた気がする。
けっ、俺が作った方がうまいに決まってんだろ!
「今度このレシピ教えろや!!!」
そう吐き捨ててから俺はから揚げの入った皿を片手で持ち上げ、家を出た。
(茅野ちゃん絡みのお願いは絶対文句言わないの、いつになっても変わんないな
それに好きな物作ってあげたくなるとか、ほんとツンデレなんだよなぁうちの息子は)
なんて光己は思うのだった。
...息子が上裸で出て行ったことを特に気にせずに。