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【爆豪勝己】君のそばで。

第4章 不良少年誕生


『~~~~っ、もう!!』

そんな爆豪の手を茅野は払い除けると、断っても

「腕の筋トレだ」

と言って返してくれなかったスクバを無理矢理奪い取って逃げるように

『トレーニングしたいなら重くて遅い体引きずって帰って来れば!!』
と言葉を吐き捨てて走って行った。

爆豪の既に出来上がった反射神経で茅野の動きの対応が出来なかったのは、触れたと同時に体の動きを遅くされていたからだった。

「…あいつ、動き2倍も遅くしていきやがった…」

足とスクバをもつ腕がさっきより二倍の重さに感じて、そして辺りの風景がいつもの二倍の遅さのスローモーションで動くのを確認して確信したのだ。

(これ絶対、家に帰るまで個性解いてくれねぇな

自分だけが遅く感じるようにしてくれたのは、周りが変に思わないため、かよ

…お人好し)

時速30kmほどでゆっくりと進むたくさんの車、亀のように歩く人々。

茅野は人の時間を操作することに関して、何種類か出きるようになっていた。

1つ目は、対象そのものの時間の流れを変える。
つまりは、壊理のように使えるもの。

2つ目は、触れた対象のみの時間を変える。

その場合、個性を適用されたものは周りから分かってしまう
…つまり、2つ目が爆豪に使われていた場合は
爆豪から見える視界は普段となんら変わらない早さで過ぎ、自分だけが遅く感じ、周りからは爆豪が遅く動いているように見える。

3つ目は、触れた対象のみが時間を変えられたように感じる。

その場合は、周りは全くもってその対象の異変に気付かない。
だが、対象のみが異変を感じる。
つまり、爆豪がかけられた個性はこの3つ目だ。
周りからは何の異変がなくとも、爆豪本人は異変を感じるため、もちろん二倍動く分の疲れも感じるのだ。


もし2つ目だったとしたら、
すれちがう人々みんなに
(何であの不良はスローモーションで動いているのだろうか)
と思われてしまっていただろう。

茅野なりに、罰だとしても良心は働いていた。

爆豪はため息をつくと、諦めて重い足を動かした。


目の前に広がる風景が、大通りで、まだまだ家につかないことを物語っていた。
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