• テキストサイズ

【爆豪勝己】君のそばで。

第4章 不良少年誕生


二人で教室に入ると、人目を引く容姿だからか視線が一気に集まった。

茅野は辺りを見回して
友達になれそうな人を探した。

…すると。

「俺はてめぇらみてぇな雑魚と馴れ合うつもりねぇからな!!」

とこちらに向いていた複数の視線に対し、そんな宣言をしてしまったのはもちろん…

すっかり中身も外見も不良に染まった爆豪勝己である。

(えぇ、まさか
入学初日にいきなりこんなこと言うなんて…
私完全にヤバイやつの仲間扱いされない??)

そして近くに早速輪を作り、話していた女子二人組は
そんな爆豪を見てササッと逃げてしまった。

茅野は伸ばしかけた手をそっと下ろして
『…ねぇ勝己、私友達出来ないかも』

たとえ原作に書かれてなくとも分かる未来に、茅野は溜め息をついて言った。

「あ?てめぇには俺がいんだろ」

そして再び、さりげなくとんでもない発言をサラッと言ってしまった爆豪にさっきよりも遠慮がちに視線が集まったとき。

「わっ…茅野ちゃん、…かっちゃん!!」

後ろからよく聞きなれた声が聞こえた。

(…えぇ、このタイミング…?)
なんて思いながら、茅野が後ろを振り向いたと同時に。

「…ンでてめぇもここにいんだ!?あ"!?」

爆豪は緑谷に掴みかかった。

その勢いに緑谷は一歩下がって廊下に出てしまい、一部を除くクラスメイトたちは完全に

(((うん、関わらないでおこう)))

と、思ったのだった。

* * *

『勝己のばかぁあ!!』

大量の教科書が入ったスクバを片腕に軽々と2つ持つ爆豪を、茅野はぽかすかと殴った。

『あのあと近くの席になった子に自己紹介しても顔ひきつってるしさ、
隣の席の男の子だって、目合わせてすらくれないんだよ?』

爆豪はぶーぶーとお説教をする茅野の頭をあやすように軽くぽん、と叩いて

(やっぱ言っといて良かった、
これでほいほい茅野に近付くモブが減るだろ)

自然と上がる口角を手で隠して何も言わなかった。

そう、いきなりあんな発言をしたのは


茅野に他の男が近付かないように…
そして、自分だけが茅野のそばで茅野を独占できるようにするための

作戦なのだった。
/ 59ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp