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【爆豪勝己】君のそばで。

第4章 不良少年誕生


* * *

『っあ、わたし2組だ!』

校門に目立つように貼られた白い模造紙をしばらく凝視した茅野は、自分の名前を見つけて声をあげた。

「俺もだ」

ポケットに手を突っ込んだまま言う勝己に、茅野は何の前触れもなく飛び付いた。

「っおい、茅野てめ」

バランスを崩しそうになったものの、がたいの良さで一歩後ろに下がっただけで茅野を受け止めた。

『やったぁ、同じだった!!!』

にこにこと嬉しそうに言う茅野。
勝己も満更でもなさそうな顔をして

「急に飛びつくんじゃねぇ、あぶねぇだろうが」

と、照れ隠しに言った。

『へへ、急じゃなかったらいいってことなの?』

なんてからかうように言ったものの、内心は
(出久も同じ2組なんだよなぁ…。
一緒で、わたしはすごく嬉しいんだけど…

どうしよう、もう今の不良勝己だとやばいよほんとに…。
出久にどころか先生にキレるかも…
うん、これ今勝己に教えたらダメな気がする、黙っておこう…。)

不安でいっぱいなのだった。

『早く教室行こ!!』

と勝己を出久に会わせたくない茅野は、勝己の手首をつかんで引っ張って歩いた。

その手首を引かれる不良少年は、周りの男が茅野の顔やスカートから出る白くて細い足をじろじろ見ていることに気付き
茅野に羽織っていたパーカーのフードを無理矢理被せてから
茅野の手を振りほどき、そのまま手を繋いで

「スカート短ぇんだよ!!俺の家でだけにしろや!!」

とキレた。


『…?これくらい普通だよ??』

なんでそんな怒ってるの~

なんてのんきに言う茅野に、

「…てめぇの足は周りのモブと違って他のやつらに見せていい足じゃねんだよ、わかったか!!」

と余計にキレた。


"その美しいモデルのような足は、周りの普通の女の子の足とは違うから簡単に見せないで、俺だけにじっくり見させろ"
という意味で言った勝己だったが、
"周りの子とは違って太いから出すな"
と言う意味で受け取ってしまった茅野は

『えぇ、酷い』

と唇を尖らせて言うのだった。

(勝己のために努力してるのにっ)
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