第1章 これは夢ですか?
* * *
「君、割とチート好みだね??
ていうか設定細かいなめんどくさ」
突如、暗闇で声が聞こえた。
『…え、だれどこ真っ暗で怖いんですけど
ってかこの声…』
「私は君の夢の中のオールフォーワンだよ
キャラ崩壊が激しいのは仕方がない
君の夢だからね★」
『私ずいぶんと変な夢見てるなぁ
オールフォーワンて悪の頂点だよ知ってる??
まぁいいや、オールフォーワンなら私に個性ください!!』
と頼むと、急に目の前が眩しくなって目を瞑った。
次に目をあけるとそこには、漫画やアニメでよくみた、ワンフォーオール初代が誕生した頃のオールフォーワンの姿があった。
『えぇ、なんかこの夢リアルでムカついてきた!!みんなのこと苦しめやがって!!
殺したるわ!!!!』
つい勝己の真似をして言うと、
「そんなこと言わないでくれ、個性あげるからさ
書いてあった設定通りでいいんだね?」
私がずっと妄想に使ってきた
自分がヒロアカの世界にいたら…と描いていたキャラデザが映し出された。
『そう!
チートかもしれないけどちゃんといい感じに欠点もあるし、この個性だったら皆を救えると思うんだぁ』
「これは…こっちの世界の私が苦労するね
じゃあ早速個性あげるけど
本当に後悔はないかい?」
『後悔なんてしないよ、だってどうせ夢だしさ』
と首をかしげて言うと、彼は目を見開いて言った。
「あのね、この世界は三次元と二次元を繋ぐ空間なんだよ
君が頭のなかで作った夢ってことに変わりはないんだけどね」
『…まってどゆこと』
と言うと、彼は
はは、と渇いた笑い声を出して
「2時22分に、行きたい世界の妄想を細かく鮮明にしながら眠って、
この夢を見ることが出来たら
私がその世界に、いわばトリップというものをさせてあげられるんだよ
大事なのはトリップしたらもう元の世界に戻れないってことだ」
それでも行きたいかい?、とこちらの様子を伺ってくる。
『ふふふ、私本当に変な夢見てるなぁ
トリップなんてあるわけないのにね
あったら今すぐにでも行きたいよ!!
私、勝己に会えるなら死んでもいいと思ってるもん
でも生憎私そういうのは信じてないからさ?
一応これでもまともなとこはまともなんだから!』