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【爆豪勝己】君のそばで。

第1章 これは夢ですか?


『じゃあ、明日ね!!』
時羽茅野、高校2年。
片手には新しくできた駅前のタピオカと、プリクラが挟まったスマホ。
ちなみに機種はiPhon8。

周りに合わせて過ごし続け、気がつけばチャラチャラと生活していた。
普通に友達と青春してそれなりに恋愛もしている、どこにでもいるような普通のJKである。

そんな私には、誰にも知られていない秘密があった。

『ただいまぁ!!今日も疲れたよ~…』

東京に憧れて、親の反対を押しきって上京。
そのため高校生だが一人暮らしである。

なのに誰に声をかけているのか、というと。


『勝己、今日も今日とてかっこいいね
なんでそんなに尊いの!?』

玄関入ってすぐに見える、爆豪勝己の等身大パネルである。
そう、私は、自分でも充分に理解している。
重度の異常者であると。

アニメ漫画オタクであり、そしてヒロアカの爆豪にガチ恋をしている。


私は朝イチで買いにいったジャンプの最新号のヒロアカの、二週目を読み始めた。
『ここのかっちゃんかっこよすぎ!!
何この腹黒い笑顔は!!この顔で俺の舐めろとか言われてみたいです!!!!』

そしてついでに私は変態である。
妄想しては一人で…なんてことはもう毎日だった。

(今日はあっちの世界に私がいる風で漫画書いちゃおうかな)

と今日の妄想を思い付き、タブレット用のペンを取って
ヒロアカの世界にいるかのように先生の絵柄でデザインした自分と、勝己や緑谷を書き込んでいく。

(どうせなら勝己と幼馴染みとして小さい頃から仲良くさせたいよね!!
家はちょうど勝己と出久の間らへんに…
幼稚園のときに引っ越して来て……
最初の出会いは近くで迷子になって助けてくれる、とか!?
そっから仲良くなって…)

するすると自分がいるバージョンの美味しい漫画を描いていく。
色をのせ、満足の行く仕上がりになった。

(我ながら完璧…!!
原作とほぼそっくりの絵柄とカラーだし、出会い方も理想過ぎるし…

…なんか、かきおわったら眠気が一気に……)


勢いで描き続けてしまい、描きおえた頃には時計は2時20分をさしていた。
私は眠気に堪えきれず、ベッドに行く気力もなかったため、そのまま机の上で、タブレットの電源を付けたまま寝落ちしてしまった。
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