第3章 調査兵団=自由
「あ~・・・喉乾いたぜ・・・」
イザベルは装置を使って飛びながら文句を言っていた。
「喉乾いたなら、そこの荷車のりんごを貰えばいいじゃねえか。」
そう言ってファーランは前方の荷車を指さした。
「あ!じゃあ私貰ってくる!!」
は三人よりも早く飛び、荷車からりんごを一つ盗んだ。
「お・・・おい!!お前!盗んでんじゃねえよ!」
荷車の持ち主は叫んだ。
四人はその言葉をスルーした。
「はい!イザベル!大きめの取ったよ!」
はにこっと笑いながらりんごを投げた。
「お!サンキュー!」
イザベルはりんごにかぶりついた。
そんな二人を冷めた目で見ていたリヴァイだが、急に鋭い表情をした。
「ん?どうしたの?」
そんなリヴァイを見てが尋ねた。
「・・・後ろを見ろ。」
リヴァイは静かに言った。
三人はくるりと後ろを向いた。
兵士が何人か追って来るのが見えた。
「げっ!憲兵の奴らかよ。」
「ったく、目ざといよなあ。」
イザベルとファーランは苦々しく呟いた。
は首を傾げた。
「憲兵なんていつものことじゃん。何でそんな顔するの?」
「あいつらの動きは憲兵じゃねえ。実戦を積んでる奴らの動きだ。」
リヴァイはさらに顔をしかめた。
「え!?ってことは・・・調査兵団なの?」
は驚いてしまった。
「へえ、おもしろいじゃん。ま!でも、返り討ちにしてやる。」
そう言ってイザベルは手をポキポキならした。
「わかれて逃げようぜ。そのほうが上手くまけるんじゃねえか?」
ファーランは言うなり別方向へ飛んでいった。
すかさず後ろの兵士たちが何人か追っていった。
「んじゃ!俺も!!」
イザベルもファーランと反対の方向へ逃げていった。
だけは心配そうにリヴァイを見つめた。
リヴァイは安心させるように先ほどとは違う優しい眼差しで見つめ返した。
「私も行くね・・・気を付けてね、嫌な予感がするから。」
はそう言い残してから去っていった。
「・・・無事に逃げきれ。」
リヴァイは呟いた。