第3章 調査兵団=自由
「しつこいなー、もう。」
は後ろをチラッと見てから呟いた。
は並の人間よりは運動神経が高い。
だからその辺のごろつきならまくことができただろう。
しかし、調査兵団となれば話は別だ。
「なんか全然スピード落ちてないし、むしろ距離が縮まってきてるような・・・。特にあの金髪のひげある奴、速すぎぃー。」
はジトーとした目で兵士を見た。
「距離をもっと取らなくちゃ・・・。」
はガスを多く吹かした。
後ろの兵士とみるみる距離が開いていく。
そして、近くの建物の屋根に降りた。
「よし・・・上手くまけたかな?」
は安堵の息を漏らしたが、気づいたようにきょろきょろした。
「あれ?あの金髪ひげおやじがいない!」
突然、後ろから探していた兵士がタックルしてきた。
「きゃあ!!ちょ・・・ちょっと!落ちちゃうじゃ・・・」
が言いかけた時にはもう遅かった。
と兵士は屋根から落下した。
「いやああああああ!!」
は絶叫した。
もうすぐで地面に叩きつけられる距離になったとき・・・
兵士はアンカーを壁にぶっ刺した。
そして宙吊り状態になった。
「はぁ・・・はぁ・・・あ。」
は呼吸を整えていたが、ふと思い出した。
嘘・・・私、捕まっちゃった?!