第7章 Nostalgic Noise
一護達が光へ飛び出すと、そこは空中だった。
「うわぁぁぁぁぁ!?」
「火無菊、梅厳、リリィ。『三天結盾!!私は……拒絶する』ッ!!!」
落下の最中に織姫が三天結盾を使用し、全員は地面に激突する前に華麗に着地を決めた。
「皆大丈夫?わぁ、黒崎くんの着地姿勢芸術的!!」
「うるせぇよ。夜一さん、さっきの……」
「ん?ああ、あれはわしじゃ。わしはスーパーキャットじゃからの」
閉じた穴を振り返って先程の鬼道について一護が聞いた。夜一の回答は全く答えになってないがこれ以上話す気はないという口振りだったため一護も言及するのを諦め、替えのマントを羽織る雨竜を尻目に周囲を見回した。そこには歴史の教科書で見るような藁葺き屋根の家が建ち並んでおり"流魂街"と言うのだと夜一が説明をする。
「何だ?あっちの方はずいぶん街並みが違うじゃねえか」
逆方向の景色は全く違い、木造ではあるが瓦屋根で現代でも散見される程度には近代的な建物が見えていた。
「あぁ、あれが……」
「わかった!あっちが死神たちの住んでるナントカって街だな?」
「ば……ッ、莫迦者!迂闊にそちらへ近付くな!死ぬぞ!!」
夜一が説明をする前に一護が全力疾走で駆け出す。夜一の物騒な言葉に一護は足を止めたがすでに遅く、上から天井が見えないほど高い壁が何枚もドシンと落ちてきた。あっという間に端が見えないほどの壁が出来上がる。
「……久すぶりだあ……通廷証もなすにごの瀞霊門をくぐろうどすだ奴は……」
「あれは……」
「久々のオラの客だ!もでなすど小僧!」
一護の目の前には流魂街の家よりもずっと背が高くデカい男が立っていたのだった。