第4章 The Straight Road
「どういう事だよそれは!?」
「見てわかんないんスか?死覇装っスよ」
「それくらい分かるわっ!!俺が言いてーのはなんで綴ちゃんがそれを着てるかって事で!!」
「死神だからだよ」
「え……?」
綴が語る言葉はそれ以外に理由は無いでしょうと言うような威圧的にも取れる雰囲気で、コンは気圧されて口を閉じることしか出来ない。しかし次の瞬間、その空気は霧散し元の彼女が纏う明るい雰囲気に戻った。
はて、さっきの空気は?と考える間もなくニコニコと近づいてくる彼女に少し警戒をしたが、コンはすぐにその警戒を解いた。何故かといえば、
コンの体には一護のどの部分にも無い柔い感触があったからだ。それはコンがずっと待ち焦がれていたものだった。
「帰ってきたらちゃんと話すから一護には内緒ね」と言ってコンの体を抱きしめる綴にコンはブンブンと首を縦に振る。
そうすると「ありがとう!」と更にギュッと抱きしめる彼女の弾力のあるそれにより深く自分の体が触れ合ったのが感じられ、可愛らしいぬいぐるみであるはずのコンの顔がエロおやじのように鼻の下が伸びる。
抱きしめられているから顔が見えないのが幸いだった。見られていれば殴られ蹴られ最後には引かれていただろう。
不意を装ってその楽園に触れようと画策するコンであったが、浦原がジトっとした目で見ていることに気づき、出ないはずの冷や汗をかきながら手を下ろす。
話を聞けなかったのは体をギュッと抱きしめられたからとかその時に心地の良い胸の感触を味わったからではないからな、一護!!お前の妹が怖くて首振っただけだからな!!
こうしてコンはただただ2人が一護と同じ窓から、一護とは別に切迫した雰囲気もなく淡々と外を飛び出していく姿をニマニマ顔で見送った。