第6章 5.
「サファイア、私は待ってるだけなんて嫌。貴方の役に立ちたい。お願い」
真っ直ぐサファイアを見つめる瞳に嘘は見えなくて、
「……、ここの誰かにでも、何かされたら必ず教えてください。」
「!約束します!」
雪の肩を掴んでいた手を外し、抱き締める
「雪さんは魅力的ですから男の中に置いておくのもすごく心配です。どんな些細なことも言ってください。貴方を守りたい」
「ありがとうございます、我儘いってごめんなさい」
雪も抱きしめ返す
「…貴方が待つ家だとかんがえると、帰りが楽しみになります」
「腕によりをかけて夕食の準備をしてお帰りを待ちますね!」
一応は納得したサファイアだったが、心の中では苦汁を飲んでいた
「…」
「サファイアも部屋見てみましょう?素敵な部屋ばかりですよ」
「えぇ、案内を頼んでも良いですか?」
「勿論です!!」
サファイアの為に何かができるのが嬉しい雪は控えめながらも笑みを浮かべて足早にさっき居た部屋に戻っていく
サファイアの荷物を持とうと試みるが思いの外重く、持ち上げられない様をクスクスとサファイアに笑われたのも小話