第5章 4. ソーダーライト
「他に何かある?」
『…そのイヤカフ』
さっきは結局聞けなかったことを聞こうとした
が、少し甲高い若い女の声に遮られた
「雫お姉様、良くいらっしゃいましたね」
その少女は見た目と言い草からして雫の妹で間違いないだろう
黒い髪に黒い瞳、肌は白く目は大きい、小柄で、しかも似たような紅いドレスを来ている
そして、その表情は雫を下に見て馬鹿にしていることがみてとれる
「家の中では雫なんて名前なくせに血の涙も流せないし、
任務で失敗して男の所に転がり込んで、よく来れましたね」
…血の涙?
どこかで聞いたことがある。
血の涙を流す家があり、その家では血の涙を流すことができる人が時期当主となる。例え他でどんなに優れていても意味は持たない。…と
「紅家を意識でもしたんですか、その赤いドレス。
今は時期当主の私の色ですよ?被らせないで貰えますか?」
そう嘲るように笑った少女は近くにあったワインを頭の上から雫にかける
その液体によって雫のドレスは紫色に変化していく
「お似合いですよ」
クスッと意地の悪そうな、いじめの成功した様ないたずらっ子のような笑みを浮かべる
「雫、来てたのか」
そう冷めた目で雫を軽く一瞥して言ったのは…兄か?
見た目は2人の少女と違い金髪