第4章 3.
「…ありがとう。
この任務が終わったら、ビクスバイト君に見せたいものがあるの。」
「?あぁ、見せてくれるのを待ってるよ」
「うん!」
そのハックマナイトの笑顔はさっき言われたような物を幾度も乗り越えて来たようには到底見えなかった。黒く濁り切っていたいつものような瞳に一筋光が刺したようにみえた、少なくともビクスバイトには。
「!?」
「どうしたの?」
「なんでもない」
1秒、2秒と時間が経っていく
二人とも何も話さないままでいつの間にか1時間が経過していた
ポツリ、ポツリとハックマナイトは言葉を紡ぎ始めた
「…、僕にも大好きな人がいてね、
いつも太陽みたいな笑顔で笑ってる人だったんだ。
僕が怪我をしたら、決まって真剣な目でおまじないをしてくれて、、、その時の顔と気持ちがすごく嬉しかったからわざと怪我をしたこともあった。
今思えばおまじないなんてばかばかしいよね。
効くわけが無いのに…その人は本当に真剣な目でそれをするから怪我の痛みもそれでへっちゃらだった。」
「けどね、僕のそばにいるせいで巻き込まれちゃったんだ。
その時の僕はまだ小さかったからよく分からなかったけどね、何人もの男に強姦されてた。僕の目の前でだよ?
僕のことを連れ去ろうとした男たちに身代わりでもなんでもするとか言ったのかな。幸いか否かその人は男に好かれるような容姿でね、男達も馬鹿だったからそれに乗っちゃって。
…頭が良ければ、その人は無事だったのに、、。どうせすぐ捕まるし、。」