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Jewelry~私の奇麗な玩具達~

第3章 2.




少ししかない荷物を整理し
日が暮れてきた頃

「サファイア、君は料理できるか?」

『え?まぁ、多少は』

「料理ばかりはからっきしでな、頼めるか?」

『良いですよ』

「今晩は、君の料理を頂いた後で任務に行くとするよ
楽しみだ」


それだけを言うと僕の部屋から出ていく

急遽夕食を作らないと行けなくなった訳だが、
冷蔵庫には十分な食材が揃っていたから問題ない

料理は一人暮らしの際に始めた。
雪さんと付き合ってからは一緒に作ることも多く
一気に腕が上がったと思う。先生がいいのだろう


それにしてもだ。
「楽しみだ」

あれはなんだ。

ハニートラップの常套文句かなんかか?

僕に男の趣味はないが…


期待されては答えるしかない、
得意料理の1つ、豚ロースの照り焼き丼と
照り焼きとは反対にあっさりした中華風卵スープを用意する


『出来ましたよ』


「今行く」

今夜の作戦でも練っていたのか書類片手にやってきた


「…これ、手作りか?」

書類に向けていた目が料理達に向いた瞬間
エメラルドのような瞳が開かれたまま止まった


『えぇ、そうですよ』

信じられないのかと、内心腹立たしい気持ちで言い放つ


何かリアクションがあるかと思えばそれもなく
いただきますと言われて、1人食べ始めた


ゴク

1口食べてその喉仏がゴクンと動く

またしても瞬きが止まる


『不味かったですか?』

作るものの誰かに食べさせたことはなかった料理
そんなに不味いことはないと思うが、
男の反応に少し不安を感じる




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