第3章 2.
「ペリドット」
ビクスバイトにそう呼ばれてその男は大きく目を見開く
「あぁ。今日からお前はペリドット、
そしてお前はサファイアだ」
『!?僕もですか』
「不満か?」
名前を貰えるのはある程度の信頼の証
うまく潜れている証拠だ
しかし、よりによってサファイア
「組織にすればお前1人調べるのは造作もない」
濃いヒンドゥー教を受け継いだ僕に
不吉と言われるサファイアが名前に
つけられるのは恐らく必然で嫌がらせだろう
「決めたのは俺じゃない。変えることは無理だろうが」
『…分かりました。』
仕方ない、ここで反発すれば
ここまでの頑張りが全て水の泡になる
我慢だ、我慢、、
…ヒンドゥー教だと知られているのに、
スパイだとバレていない事なんてあるか、?
たけど、名前を貰った以上組織の一員と認められたも同然
自分から自白するような自殺行為はさすがにしないが…
どうやって確かめる?
___________ペリドット side
『夜会の宝石、エメラルドですか。
俺には勿体ない名前です』
「お前はその手の仕事が得意だそうじゃないか」
『えぇ、まぁ。どの武器よりも裏切りませんから』