第3章 2.
______No.5 side
『出来ましたよ、女王様』
「ありがとう、けど。その呼び方は感心しないわね」
『事実じゃありませんか』
『組織の実質のトップでしょう』
「……。」
『…まぁいいです。それにしてもなんで公安をわざわざ出向かせるんです?』
『スパイと知った上で入れるなんて考えるお方は、あなたくらいでしょう
わざわざ手回しをしてまで。』
「理由なんて単純よ」
「『楽しいから』」
『ですよね』
『相変わらずの趣味に彼には同情しますよ』
「ふふっ、いい趣味でしょう?」
『えぇ、本当にいい趣味をしてらっしゃる』
『知らない人間に近づいて人格を壊そうとするだなんてね』
「だって、、まんまと騙される方が悪いのよ」
「いい子過ぎてね、」
『よくこの組織はもってますね』
「ユークレース、あなたのような人がいるから、でしょうね」
『まぁ、恋人も家族も親友も殺されるとは思ってませんでしたけど、女王様には敵いませんよ』
「あら、そんなに心酔してくれてたのかしら?」
『えぇ、それはもう。貴女に出会った時からずっと、ね』
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