第3章 2.
目の前には僕の胃袋を掴んで離さない絶品料理の数々
そして姿勢を正してこちらを真剣に、心配そうに見つめる雪さん
大事な話があると言って来てもらったが、言葉が上手く思いつかない
『暫くは、あまり会えなくなります』
「…はい。」
『せっかく付き合って下さったのに、すみません』
そして本当は、彼女の為にも別れた方がいい。
なかなか会ってくれない男より、そばに居てくれる男の方がいいに決まってる
「い、いんですよ!お仕事なら仕方ありません」
「たまには会って、無事を確認させてくださいね」
『はい、はい!!』
けれどまだ、彼女を離したくない、
『ごめん…』
好きなくせに、君を手放せなくて本当にごめん
「何故なのかは、教えては貰えませんか?」
『すみません。、それは言えません』
「そう、ですよね」
『危険ですので、詮索はしないでください。、』
『すみません。』
「いいんです。お仕事、頑張ってくださいね」
『ありがとう、本当にありがとうございます。雪さん』
「だ、だからその顔で名前呼ばないでください」
さっきまでの空気とは一変甘い空気が漂う
でも、無理やり作っているのも分かって、僕の為にしてくれていると思うと心が暖かくなった
『ふふ、なら、尚更言わないと行けませんね。雪さん』
「もうっ!!//」
彼女と次にいつ会えるか分からない中、甘い夜が更けていった