第2章 1.
「いただきます」
1口食べると今まで食べていたものが粗悪品に感じられるくらい美味い
「!!」
「こんなに美味しいもの初めてです」
『喜んでいただけて嬉しいです』
「これ、家にあったものだけで作ったんですよね」
『はい!レパートリーが少なくて申し訳ないのですが、せめてものお礼をと。』
「本当にこちらこそありがとうございます」
「あの、お名前伺ってもいいですか?」
『勿論です。名乗るのがおそくなりすみません。
私の名前は 椿 雪 と申します』
「綺麗な名前ですね」
「僕の名前は 駿河 廉 といいます。」
『ありがとうございます。駿河さんこそ、素敵な名前ですね』
「ありがとうございます」
『私のことは気軽に呼んでください』
「でしたら、僕のことも駿河さんではなくてもっと軽く呼んでください」
『うーん、でしたら、廉さん、?』
「はい、雪さん」
突然ゆでダコのように顔を真っ赤にした雪さんは両手で顔を覆って隠す
名前の通り真っ白い雪さんの耳が真っ赤で隠しきれてないのになと少し面白くて笑ってしまう
『な、何に笑ってるんですか、もう!』
「いえ、可愛らしい方だなと」
本当に怒っている姿も可愛らしい
漆黒のように真っ黒で艶を持つ美しい髪に、名前の通り真っ白い肌。白い肌は簡単に真っ赤になって恥ずかしがったり怒ったりするものだから可愛いとしか言いようがないだろう