第5章 2日目
それに心無しか自分が選んで買った洗剤ではない違う匂いがする気もする。
今気づいてみると今の私の服装は制服ではなく昨日買ったラフな服を身につけている。
「ねえグリム、私リーチ兄弟に何かされてなかった?」
「つり目の方にお洋服少しお借りしますねくらいしか言われてねぇゾ」
ジェイド先輩にそう言われてヒビりながらも頷くグリムの姿が脳裏に浮かんだ。
もしかして気絶している間にお風呂に入らされて身支度までもを整えてくれた?
試しにクローゼットを開けてみると、制服が綺麗にアイロンがけされていて、いつもとは違う柔軟剤の匂いがした。
あのリーチ兄弟がここまでしてくれるとは…
お風呂に入れてくれた時にどうやら私に何か手出していなかったみたいだし。
腰以外痛いところがないという事が証拠だ。
思い返せばフロイド先輩はナカには出さなかったし。
思ったより結構紳士的…なのか…?
襲われたのは変わりないだろうが。
「…深く考えないでおこう。」
「何をだ?」
「ただの独り言だよ」
それはさておき何をしようかな。
オンボロ寮の掃除も良いかもしれないが生憎疲れていてやる気がない。
ここは素直に心と身体を休めよう。
オンボロ寮にもテレビがあったはずだ。
そのテレビで昨日買ってきたビデオをみて癒されよう。
あらかじめ今のうちに食べ物を集めてきてグリムと一緒に映画鑑賞だ。
ミステリーショップだっけ?
地図をみて気になったから行ってみよう。
ミステリーって言うだけ揃っているものは揃っていそうだし。
「グリム映画鑑賞しない?」
「え〜オレ様はその気分じゃないんだゾ」
「ツナ缶奢ってあげるよ」
「映画鑑賞楽しみなんだゾ」
そして私たちはマドルを持って外へ出た。