第5章 2日目
目を覚ますと私はオンボロ寮の自室のベットの上にいた。
確か私はリーチ兄弟に…夢だったのか?
窓から外を見ると、空は橙色で夕方という事が分かる。
夕方…という事は夢じゃない?
いや、もしかしたら夕方じゃなくて明け方かもしれない
「あ、やっと起きたんだゾ」
隣からは聞き覚えのある声がした。
この声はおそらくグリムのものだろう。
「私が起きるまで隣にいてくれたの?」
「ンなわけねぇだろ、オレ様は昼寝してただけなんだゾ」
昼寝って事は今日のアレは夢じゃない?
思い出しただけでも恥ずかしい。
グリムがこの時間まで昼寝ってどれだけ寝たんだろ。
それはともかく
「私はなんでここに寝てたんだろ…」
「それはリーチ兄弟がオマエをここに連れてきてたんだゾ。いきなりオンボロ寮に入ってきたからかなり驚いた…アイツらと何やってたんだゾ」
「き、キノコ狩りかな…途中で私疲れちゃって寝ちゃったぽい」
流石に本当の事は恥ずかしくて言えないから半分本当の事を言った。
今日の事は全て忘れてしまいたい。
あの二人に襲われたと言ってしまえば終わりだが
薬のせいであんな恥ずかしい事を私は…
「キノコ狩りって…一体オマエはアイツらとどんだけ仲良くなったんだゾ」
「仲良いっていうか半端強引だけど」
「やっぱりそうだったんだな、オレ様も今日いきなりリーチ兄弟のつり目の方に気絶させられたんだゾ…思い出すだけでもおそろしい」
グリムはあの時寝ていたのではなく気絶させられていたのか…
それにしてもあの時の都合が良すぎるな…
あの場にジェイド先輩やフロイド先輩に出くわしたのも計画通り?
やっぱりわざとだったのか?
…いやいや自意識過剰になるな、そんな訳ない。
そうであって欲しくない。
この時の私は既に疲れきっていてグリムを怒る気力さえなかった。