第5章 2日目
だとしたらそれを知らせにグリムの元へ行かなくてはならない。
「というか今9時半だし」
「えっ、9時半なんですか?!」
私が散歩してからはあまり時間は経過していないはずだ。
9時半という時計の見間違いは流石にない
「あ、もしかして食堂の時計みたの?あそこの時計は今壊れてんだよ」
「そうだったんですか」
「あはははは!!小エビちゃんおもしれー!騙されてやがんの」
急に笑いだしたかと思いきや、さっき言っていたことは全て嘘だと言い出した。
なんだ嘘か、驚いて損した気分だ。
「あ、でも今日は祝日で休みって事は本当だから〜」
「なら私は友達の所に行ってそれを伝えに行かないと… 」
「ふーん。飽きた、行っていいよ」
フロイド先輩はいきなり飽きたと言って私を離した。
なんとか逃げることは出来たようだ。
というより逃がしてくれた。
フロイド先輩は相当気分屋なのだろう。
そのお陰で助かった。
私はすぐにベンチから腰を上げて早歩きでその場を去り、校舎の中へと入って行った。
グリムは何処にいるか分からないけどとりあえず自分の教室に行けばいるはず。
そう考えて自分の教室まで来たのだが、グリムの姿が見えない。
何かしでかされたら嫌だし。
しょうがない、探すか。
それから私はグリムの事を探した。
この広い後者を校舎を探してみるものの、見つからなかった。
もしかして何処かで迷子になっているのか?
「疲れたー…」
グリムを探すために歩き回るのは結構疲れるものだ。
あっちから出てきてくれば良いのに。
「おや○○さん、丁度会いたかった所なんです。」
「ジェイド先輩…」
ジェイド先輩が私に話しかけてきた。
今日はやけにリーチ兄弟と会うな…
何か仕込まれているのでは?
…いやいや、それは流石にないか