第2章 この世界
仮面の変な人について行くと中庭らしきところまできた。
仮面をつけた変な人はごほんと咳払いをした。
「ここは『ナイトレイブンカレッジ』。
世界中から選ばれた類稀なる才能を持つ魔法士の卵が集まる。
ツイステッドワンダーランドきっての名門魔法士養成学校です。
そして私は理事長よりこの学園を預かる校長。
ディア・クロウリーと申します」
「ま…まほうし?」
魔法士の卵が集まる学校と言われても私は魔法もなにも使えないただの平凡人だ。
というかこの人この学園の校長先生だったんだ…
「この学園に入学できるのは『闇の鏡』に優秀な魔法士のししつを認められた者のみ。
選ばれし者は、『扉』を使って世界中からこの学園へ呼び寄せられる。
貴方のところにも『扉』を載せた黒い馬車が迎えに来たはずです」
そう言われてみれば…
「暗い森を通ったような…」
「あの黒き馬車は、闇の鏡が選んだ新入生を迎えるためのもの。学園へ通じる扉を選ぶ、特別な馬車なのです。
古来より特別な日のお迎えは馬車と相場が決まっているでしょう?」
「…相場って、どこの相場ですか?」
「むがー!むががー!!」
私が学園長に質問するとしゃべる狸が暴れだした。
「そんなことも知らねぇのか!?」と言いたそうに。
「さ、入学式に行きますよ」
学園長はそれに気づいたようで、話題を変えるためにもそう言ったようだ。
そして私はまたもや歩き出した学園長の後を追った
「…それにしても貴方、良い香りがしますね。」
「そうですか?香水も何もつけていないんですが…」
「香水の香り…とも言えませんね…なんとも言えない良い香りです。 」