第5章 2日目
授業までの時間はたっぷりあるため私達はゆっくりと味わって食べた。
食べ終わって時計をみると針は7時45分を指しており、時間に余裕が出来た。
時間に余裕が出来たと言えど、何をすれば良いのだろうか。
教室でずっと時間が過ぎるのを待つのは気が遠くなるのでとりあえず迷わない程度に校内探索をしよう。
「ねえグリム、私校内探索したいんだけどグリムもどう?」
「オレ様は行かねぇ、めんどくせぇしな」
「そっか、じゃあ私行ってくるね」
「そこらへんのヤツに絡まれないように気をつけるんだゾ」
「そう言う割にはついてきてくれないんだ…」
「ふなっ?!心配してやってるだけ感謝しろ!」
私は学園の掲示板に貼っている地図をみて気になる場所にとりあえず行くことにした。
都合よく雨はあがり、空には虹が出来ていた。
とりあえず学園の庭とかを探索しよう。
今の時刻じゃきっとほかの生徒はいないだろうし自分の身になにか起きることはまず少ないだろう。
「…庭の手入れとかは魔法でやってるのかな?」
とりあえず外を探索したけれど、何処にも邪魔な雑草は生えていなかった。
雑草が生えているところもあったけど、そこはむしろ生えているお陰で雰囲気が出ていた。
風景が綺麗でこうやって散歩するだけでも癒されそうだ。
「少しここで休もう」
私は日陰になっている白いベンチに腰を降ろした。
1人の時間はこんなにも楽だし癒されるんだ。
グリムは今頃何かやらかしていないか心配なのだが。
「あ〜小エビちゃんだぁ。おはよー」
「ぐっ!」
背後から何者かに抱きしめられた。
凄く力が強くて苦しい。
その声からして嫌な予感がする。
相手が誰かなのかを確認するためにも頑張って首を横にねじった。