第5章 2日目
窓からは眩しい光はない。
その代わりに外からは雨の音がする。
「…朝か…」
目をぱちりと開け、窓から外をみると空の色は灰色で雨がザアザアと降っていた。
昨日一応傘は買ってきたけど風が強かったら意味なさそう。
学園に行く途中に濡れたくないし。
時計の針は6時半を指している。
授業始まり時刻は9時。
調度良い時間だろう。
「グリム、起きて」
「んな〜ツナ缶ー…」
「ツナ缶なんてここにないよ、ほら起きてよ」
寝言をぼやいているグリムを私は昨日の朝と同じく持ち上げた。
「…ん?…おい!またオレ様を持ちあげるんじゃねぇんだゾ!」
「ようやく起きた。もう降ろして良い?」
「固い床の上に落とされるなんていやなんだゾ!落とすならせめてベットの上にしてくれ!」
「はいはい」
私はグリムをベットのうえに落としてあげた。
今日は空が灰色で太陽と対面出来ないから目が冴えない。
私は目を冴えさせるために冷たい水で顔を洗った。
そのお陰で目はすっきりと覚めた。
その後、ちゃんと身支度を整えて外に出ることにした。
雨は全然止んでおらず、むしろさっきより強くなっていた。
幸運にも風がなかったから傘でも濡れなくて済みそうだ。
多分ズボンは少し汚れると思うけど。
「ふなっ!オレ様濡れたくないんだゾ!」
「グリム重いってば、降りてよ」
「降りたら濡れるんだゾ!」
グリムは私の肩に乗った。
私は男でもないからグリムを乗せたまま歩くのは結構辛い。
まあ、良い運動とでも思っておこう。
その状態のまま、私たちは食堂に着いた。
お陰様で肩が少し痛い。
私は食堂のキッチンまで行って昨日と同じのバターパンを手に取った。
グリムはパンを4個ぐらい取っていた。
よく朝からそんなに食べれるな…
人間じゃないから食欲はいつでもあるのか?