第4章 新しい生活1日目
「なんか怪しいんだゾ」
と、グリムは私達の所へ近づいてくる。
「グリム、お前○○のこの濃いにおい分からないのか」
とデュースくんがグリムに聞いた
「におい?においはするっちゃするけどいつもと変わらないんだゾ。というか本当に何してたんだ?○○が床にへたりこんでるけど」
「だから楽しんでただけだって言っただろ」
グリムは不思議そうに私の顔を覗き込んだ。
私は立ち上がろうとして脚に力を入れるが上手く立てない。
「立てない…」
「お前さっきので腰にキたのかよ」
と、エースくんがからかうように言ってきた。
元といえばエースくんのせいだし。
そう思って私はエースくんを睨みつけた。
「まあまあ、さっきのは水に流そうぜ」
自分でやっときながらなんて事を言うのだこの人は。
私は一生水に流せないしきっと覚えているだろう。
「おい、立てるか」
デュースくんは私に手を差し伸べてくれた。
私は彼の手をとってデュースくんに引き上げられるように立ち上がった
が、上手くバランスを取れず、彼の身体に体重を乗せてしまうような形になってしまった。
そんな私をデュースくんはちゃんと受け止めてくれた。
「ありがとう」
「いや…大丈夫だ、厳密に言えば全然大丈夫じゃないんだが」
と、デュースくんは頬を少し赤らめて下を向いてしまった。
私は彼が受け止めてくれたお陰でちゃんと自分で立つことができ、デュースくんから離れた。
「それよりさっさと帰ろうぜ、ここにいると目とか鼻に毒っていうか…」
「そうだな」
「そうか、じゃあまた明日なんだゾ」
「ああ、また明日な」
「バイバイ」
と、2人は言ってオンボロ寮から出ていった。
「オマエは挨拶しなくてよかったのか?」
「今はしたくなかったからね」
「何があったんだ?」
「言いたくもないかな」
好き勝手にされて、しまいにはからかわれて
それに恥ずかしい思いもしたし
…何よりも2人にされた行為に私が気持ち良いと思ってしまった事に不思議と不満を抱いた。