第4章 新しい生活1日目
1歩ずつ、1歩ずつ、距離を置こうとすると背中に何かがぶつかった。
壁だ。
これ以上下がる事は出来ないだろう。
だからと言って横へ逃げようとするもエースくんが私を壁に追い込んだ事によってエースくんは私の顔の両側近くに行く手を阻むように置いてきたため逃げられない。
しかも私の股に足を入れてきた。
この様では逃げる事も出来なそうだ。
「え、エースくん、一旦落ち着こうよ」
「俺は落ち着いてるっつーの、たかが魔力を俺にあげるだけでそんなに拒むか?お前も元の世界に帰りたいんだろ?」
「それはそうだけどさ…」
「なら拒む必要なくね?」
「私の気持ちの問題っていうか…そういうのが準備出来てない。それに私は血をあげるのはやめろって学園長に言われたから」
「要は血じゃなければ良いんだろ、…なら手っ取り早く唾液で良いか。別に俺はお前に特別な気持ちを抱いてる訳でもねぇし」
なんでそうなるんだ。
き、キスとか私本当に慣れてないし涙の方が全然良い。
エースくんが特別な気持ちを抱いてなければなんでも良いって言う訳でもない。
「唾液にするなら涙にして欲しい、それにエースくんの気持ちの問題じゃないから!」
「そう怒るなよ俺今日1日我慢してたんだからご褒美くらいくれても良いんじゃね?」
「だからそういう問題じゃないんだってば!」
「○○もそう言っているんだからやめろエース」
と、デュースくんがエースくんの肩を掴んでを止める言葉を発してくれた。
「お前は今日○○に感謝されるような事を荷物持ちぐらいしかやっていないじゃないか」
そうだ、もっと言ってやれ!
ん?…なんだ、このデュースくんの発した言葉の違和感は
「僕は○○が襲われているところを助けてやったんだぞ、だから○○は僕に体液をあげるざるをえない
それに対してお前はどうだ、だからお前はお預けって事だ」
「なんだコイツ腹立つな…!俺が先に○○を見つけてたら普通に助けてたっつーの!」