第4章 新しい生活1日目
「おい、大丈夫か?何処か痛む所はあるか」
「大丈夫、ありがとうデュースくん」
デュースくんは私の元へと駆け寄ってくれた。
それに心配までしてくれた。
「嘘つくなよ、身体震えてんぞ」
そう指摘されてようやく自分が震えていることに気づいた。
エースくんは肩にグリムを乗せたまま私に近寄った。
「ちょっと怖かったから…でも今は大丈夫だよ」
初めての出来事だったし正直どうすれば良いのか分からなくて凄く怖かった。
でもデュースくんが助けてくれて、それにエースくん達も来てくれたから今は心強い。
「そうか…無理するなよ、…それにしてもコイツら弱かったな、喧嘩慣れてねぇのか?」
と、デュースくんは寝転がっている2人をつついた。
「デュースくんが喧嘩強いのは以外だったな」
「…それは昔色んな事があって…つまらないかもしれないけど俺の過去話聞くか?」
「うん、聞いてみたいな」
どうやらデュースくんはミドリスクール時代、ものすごく荒れていたらく、しょっちゅう学校サボって毎日喧嘩に明け暮れていた。
先生の名前は呼び捨て、ワルい先輩とツルみ、髪の毛も脱色していたらしい。
魔法がつかえない人に魔法でマウントをとっていた事もあったそうだ。
今のデュースくんがそんな事をする人とは思えない。
現に私に魔法でマウントとってこないし。
「でも、ある夜…母さんが俺に隠れて婆ちゃんに泣きながら電話している姿を見ちまった。自分の育て方が悪かったのか、片親かのが悪かったのかって。
…そんな訳ねぇのに、悪いのは全部俺なのに。
だからナイトレイブンカレッジから迎えの馬車が来た時すげー喜んでくれた母さんをもう二度と泣かせないと決めたんだ。
それで優等生になって…それなのに初日から喧嘩して…ちくしょう!」