第4章 新しい生活1日目
「…で、話したい事って何なんだ?」
学園長室に着いてすぐにグリムはその言葉を発した。
「○○さんの住んでいた国の事についてです。
今日、色んな書物で日本という国を調べてみました。何処にもその国については載っていませんでした。
つまり、○○さんは本当に異世界からこの世界へ連れてここられてしまったのかもしれません。」
「いや、異世界なんてそんなの存在しない…」
「存在しますよ。存在していなかったら魔法すら存在していない事になってしまいますからね。」
信じたくない事実を知ってしまった。
私の中から家に帰れる確率が遠のいた気がした。
もしかしたらもう二度と家族とも会えないかもしれない。
「いや、もう一度調べてみればあるはずです」
「残念ながら調べることろまで調べ尽くしました。」
「そんな… 」
このまま私は元の世界へ帰れずにこの世界で過ごすことになるのだろうか。
私の家族たちは一体どうなってしまうのだろうか。
その不安で胸がいっぱいいっぱいになった。
「そこまで落ち込まないでください。私は貴方が元の世界へ帰れるようにその方法を探りますから。この世界へ貴方が来たという事は帰る方法もあるという事です。何かしらはその方法はありますよ。」
「そう…ですね、ありがとうございます」
今回みたいに学園長はちゃんと色んな書物を漁って調べてくれた。いつかはきっと帰れるようにはなるだろう。
「え、ちょっと待って、話に置いてかれてるのは俺だけか?」
「いや、俺もだ」
「オレ様もなんだゾ」
話を聞いていた3人は話に追いついていなかった様子である。
「まあまあ、3人方には後で分かりやすく説明しますから。」
そう学園長が言うと3人は安堵した様子だった。