第4章 新しい生活1日目
「私達はもともと海の中に住んでいました。
こうして地上に人間として存在しているのは特別の薬を飲んだからでございます。なので私達はもともとはウツボなんです。」
「そう…なんですか」
本当にこの世界には多種多様な人間が多いらしい。
ウツボが人間の姿に…ってもともとどんな見た目をしているんだろう。
そんな事考える前になんとかこの2人から開放してもらわなければならない。
これ以上されたら私のメンタルと身体が持たなそう。
「…あの…もう良いですよね?」
「良いってなにが良いの?あーもしかしてそろそろ解放してくれってー?そんなの嫌に決まってんじゃん」
あっさりと断られてしまった。
頭に集中させ何とか言い訳を考えた。
「そんなに魔力を摂取したら大変な事になるのでは?」
「現に大変な事にはなっていませんよ。それに私達は次の授業は飛行術ですし、今のうちに魔力を溜めておいてもデメリットはありません。」
「つまんねー言い訳してないでさっさと俺に食わせてよ小エビちゃん」
何を言い訳しても意味が無いように思えた。
「トイレへ行ってきます!」
そう言い残して立ち上がって駆け出そうとしたのだが
ジェイドという人に腕を掴まれて行くことも出来ない。
「貴方は新入生でしょう?まだ校舎の構造も分かってらっしゃないですよね、私達が案内して差し上げましょう」
「け、結構です」
別に今トイレに行きたいわけでもなかった。
ただ単に2人から逃れるために行動にしたのにそんな事言われては意味がなくなってしまう。
「何となく地図を見て把握したので大丈夫です」
「えー、本当に案内して貰わなくていいの?この学園結構広いよ?ひょっとしたら迷子になって二度と出れなくなっちゃうかも」
流石にそれは困るけど…
2人に何かされるよりマシだ
「案内は不要です」
「そんな警戒しなくても…とりあえず今日はもう貴方には手を出しませんよ」