第2章 この世界
ゴトッ
_この音は…?
真っ暗闇の中、何処かから音が聞こえた。
真っ暗…事はまだ夜か、もしかして強盗かな?
だとしたら大変だ。
「やべぇ。そろそろ人がきちまうゾ。早いところ制服を……」
誰かの声が聞こえた。
やっぱり強盗かもしれない!はやく警察を呼ばないと!
そう考えた私は一瞬にして頭が眠りから覚めた。
ゴンッ
「っ〜〜!!」
眠りから覚めて頭を上げようとしたら思いっきり何かに当たって声にもならない叫びが口から零れる。
自由に動けない。
もしかして私は何かに入っているのだろうか?
「なんか音したか?うーん!!!この蓋、重たいんだゾ。」
近くで強盗らしき人物の声が聞こえる。
私の入っているものを動かそうとしているみたいだ。
「こうなったら………奥の手だ!ふなっ〜〜〜〜それっ!」
一瞬にして視界が明るくなり、青い炎がみえた。
「ぎゃー!?!?」
それに驚いて思わず声が出てしまう。
反射的に上半身が起き上がった。
ここはどこだろう…棺桶が浮いてる…?
「さてさてお目当ての…って、ギャーーーー!!!なんで、オマエもう起きてるんだ!?」
「し、しゃべる狸?!」
私が強盗だと勘違いしていたみたいただ。
先程しゃべっていたのは狸だった。
それにしても変な夢だ。
斬新すぎる…
「誰が狸じゃーー!!!!オレ様はグリム様なんだゾ!」
「…ま、またしゃべった…」
「まあいい。そこのニンゲン!オレ様にその服をよこすんだゾ!さもなくば…丸焼きだ!」
は?丸焼き?!
流石に夢の中で殺されるのは勘弁だ
「だ、誰か助けて!!」
私はその場から離れて逃げることにした。
「コイツ!待つんだゾ!」
どうやらさっきのしゃべる狸は私の後を追いかけて来たみたいだ。
そもそも待てと言われて大人しく待つバカは何処にもいない。
それからというものの、沢山の場所をしゃべる狸と追いかけっこをし、最終的には図書館らしき場所へついた。
この夢は一向に醒めそうにもないし、それに五感もしっかりとしているし、しっかりと頭も回る。
本当にここは夢の中なのか?