第3章 私の魔力
「かなり深い傷ですね…この狸に自分の血を飲ませようとこんなに切ってしまったのですか…」
そう学園長は言いつつ、丁重に私の腕を包帯で巻いてくれた。
「少し手が滑ってしまって…でも、グリムのお陰で私が助かったのは本当ですよ。」
「だからオレ様を入学させろ!」
「グリム、言い方がちょっと…」
グリムの言い方が上から目線で学園長の気分を害さなければ良いのだが…
学園長は一つため息をついた。
「○○さんが言う事ですしそこの狸くんをこの学園に入学させましょう。」
「おおー!!やったゾ!」
「…しかし、狸…いや、グリムくん貴方にも寮を与えられませんので○○さんとこの寮で生活して下さい。」
「ええー、オレ様ちゃんとした寮にはいりたかったんだゾ…」
「グリム、わがまま言わないの」
「さて、○○さん、ご飯を持ってきたので食べてください。」
学園長は少し冷めた食べ物たちを私の目の前に出してきた。
「ようやく食べれる…!」
「オレ様も食べたいんだゾ…」
「分けてあげるよ」
「あ、そういえば明日の事を話してもいいですか?食べているままで良いですよ。」
そう言われて私はこくんと頷いた。
「明日、貴方は授業を受けてください。普通は寮を持たない人は授業を受けさせられませんが特別に授業を受けさせてあげます。
そして、グリムくんの管理もしっかりして下さい。
もしも貴方の管理が不届きでグリムくんが暴れだしたら…窓拭き雑巾100枚の刑に処します。」
雑巾100枚って…1日でおわるかな?