第3章 私の魔力
「ずっとオレ様はこの学園に憧れてたんだゾ!
だからさっさとオレ様にその服を寄越せ!」
「私がこの服を寄越しても多分着れないしまた追い出されると思うよ」
「うぐっ…それは…確かに…じゃ、じゃあ別の方法にするんだゾ!…それはそうと、ここ良いにおいがしないか?」
「…そう?私には分からないけど?」
「クンクン…どうやらこのにおいオマエから出ているみたいだゾ!おい!何か持っているんだろ!」
このしゃべる狸が言っているにおいとは私の身体の事だろう。
それを知らない狸くんは何を持っているんだと問いかけてきた。
掃除で疲れたから説明もめんどくさい。
「ふぁぁ…一眠りしよう…」
「おい!無視するんじゃねぇゾ!」
私は寝ようとしソファーに上半身まで沈めて、瞼を閉じた。
「お〜い、そこのお姉さーん」
「僕達といっしょにあそぼうよぉ」
「なんだオマエたちは…って!ふな゛?!オバケ!
おい!オマエ起きろ!オバケがいるんだゾ!
魂抜かれちまうゾ!」
「んん…オバケ…?」
しゃべる狸に体を揺さぶられて瞼をゆっくり開けてみると、しろい物体が三体いた。
「お、オバケだ…!」
オバケも存在したんだ。
と内心驚き、すっかり目が冴えてしまった。
すぐさま私は立ってしゃべる狸を盾にした。
「オレ様を盾にするんじゃねぇゾ!」
「あ、あのオバケ倒してよ!」
「嫌なんだゾ!ましてはオマエの命令なんて…」
「倒せば学園に入学させて貰えるかもよ」
「そ、そうか!その方法があったんだゾ!」
しゃべる狸は目を輝かせて強気にオバケ達の前に出た。
「オレ様と勝負なんだゾ!」