第3章 聞き耳
お客さんは…奥の方のテーブル席に、年配の男性が二人だけみたい。なにやら真剣な顔で…チェス?してる。アイドルとかにはまったく関心なさそうな人達(笑)。
だからか、相葉くん、今日は普通にカウンター席でマスターとお喋りしてた。待ちきれなかったのかな。入り口にも近いし。ていうか、暇を持て余してたのかな?結構…盛り上がってるし。
で
私は相葉くんから三つ席あけて、しれっとカウンター席に座ったんだけど…ホントに気づいてないみたい。お店に入ったとき一瞬チラって見られたんだけどなぁ…。
ふふっ、ケータイ見ながら『まだかなぁ~』って顔してる。時々ドアの方見たりして。
さすがに真正面だし、注文を聞きにきたマスターは私に気付いて。『あれ?』って顔されたから、『しいー』って指でサイン。…笑ってる。