第2章 変身中
…そういえば
あの人も、ちょっと目を見開いていたような…。
なんか、記憶がいきなり蘇ってきた。初めて、その一線を越えた後、シャワー浴びて出てきた私を見たときの、なんとも言えない顔。やっちゃった感だとばっかり思ってたけど…ひょっとしたらそういうこと!?
『コイツ、素顔はこんなガキっぽいのか…!』
とか思われてた!?確かに、すっぴん見せたのは初めてだったけど…。え、でもさすがに、シャワー浴びたら化粧は落とすよねっ?
…って。
違う違う。あの人のことなんて思い出さないのっ!
気を取り直して、なんとか、時間前にバーに到着。
息を整えて、ゆっくりドア開けた。
「いらっしゃい」
落ち着いたマスターの声。
軽く会釈して、静かに入って。ひとり、カウンターに腰掛けた。
…うん。
全然気付かれなかった(笑)。