第10章 つよがり
あんまり静かだから寝ちゃったかなって思って
ふと見たら
相葉くんが無言でじいっと私を見上げていて
そして目が合うと、すごく嬉しそうに
本当に、嬉しそうに瞳がきらめいて
だんだん、顔がくしゃっとなっていって
“ありがとう”
って
言葉以上に言ってるような
そんな
最高の笑顔をくれた。
そして
そのままどんどん、くしゃっとなっていって…
気付いたら
眉毛はハの字、細くなった黒目が、ウルウルと…
「…。泣いてる?」
「!な、泣いてないっ」
「…でも」
今にも、零れ落ちそうなくらいに潤んできてるんですけど…
「あ…汗っ!そう、汗だよ、これは汗!もぉ~、どこ見てんの?ハルちゃんてばっ」
「…」
じーっと見てましたけど。あなたの…みるみる崩れていく顔面七変化を。
「男は簡単に泣いたりしませんからねっ?汗汗っ。何言っちゃってんの、もうっ」
「…そうなんだ?」
「そーなのッ!!」
「そおなんだ~(笑)」
「~~~そう!愛!なんだよっ?これは、愛の結晶!…の汗っ!!」
「…」
「…」
んー…
「意味わかんない(笑)」
「ごめん、俺もわかんない…(笑)」
うん
案外、相葉くんもつよがりなことが判明(笑)。