第10章 つよがり
最初から、そうだったね。
気付いてくれた。人知れず苦しんでること。自業自得なんだけど、どうしようもないくらいのとこまでいっちゃってたから。
…嬉しかった。
その笑顔で
何度救われたかわからない。
ねえ、相葉くん
そろそろ、ちゃんと気付いてくれていいよ。
私
ちゃんとあなたに恋してる。
あなたを不安にさせないくらいには
ちゃんと
想いが、あるの。
ここに。
「…」
左の胸の前でぎゅっと握りしめてた、ハートを、開いて
花が咲いたような
この手で
そっと
触れた。
「っ」
あなたの髪
そのサラサラな髪に
「…」
なで
なで
いつも、あなたがくれるように
同じようには、できないけど
私が貰ってる温かさを、あなたにも感じてほしい…。
なで
なで
「……」
ほら
わかる?
この手のひらから伝わらないかな
私の、想い
あなたへの、想い…
ゆっくり、毛並みを整えるように
何度も、何度も
指で、手のひらで、時には甲で
なで
なで