第5章 愛玩する僕の心を恐ろしく思った【薄桜鬼】
心地好い倦怠感と圧倒的な幸福感に包まれて、そして腕の中にはちゃんを包み込んで、眠りに堕ちた僕が目を覚ました時には既に陽は高く昇っていた。
とっくに朝餉は終わってるよね。
そろそろ昼餉の時刻かな?
流石にもう床から出ないと、また土方さんの御小言を聞かされる羽目になっちゃいそうだ。
「ちゃん、起きようか。」
可愛らしい額に口付けながらそう言っても、ちゃんは身動ぎもしない。
そんなに疲れさせちゃったのかな。
ちゃんとの行為を思い出し、くすっと笑った僕は何度も其の名を呼ぶ。
「ちゃん。」
「………ちゃん?」
だけど僕の腕の中で微かな笑みを湛えたまま眠るちゃんは………
呼吸をしていなかった。