第5章 愛玩する僕の心を恐ろしく思った【薄桜鬼】
「似てるよな。」
「え……?」
「総司とは似てるよ。」
「僕と、ちゃんが?」
「ああ、似てる。
自分の思いを上手く伝えられない所も
強がりな癖に、直ぐ壊れちまいそうな所も……
俺は心配で目が離せねえんだ。」
告げられた左之さんの言葉に胸が熱くなった。
僕とちゃんが似てるって事も、左之さんが僕をそう思って見ていてくれたって事も。
其れから、どうして僕がこんなにもちゃんに惹かれるのかって事も。
「僕……ちゃんが欲しい。」
自分でも驚く程に素直に口を突いて出た想い。
でも左之さんは其れを咎めもせず、柔らかい笑顔で頷いてくれたんだ。
「会いに行ってやれよ。
総司ならを真っ当な世界へ戻してやれると思うぜ。」
「ありがとう、左之さん。」
持っていた木刀を放り出し道場を飛び出そうとしていた僕の背中を、左之さんの声が更に押してくれた。
「悔しいから此れは言わないでおこうと思ってたんだが……
の奴……
俺の一物を咥えながら『沖田さん』って言いやがったぜ。」