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keep as a pet【R-18 SS集】

第1章 溺れる復讐【イケメン戦国】


私が溺れる訳にはいかない。

溺れなければいけないのは………

顕如さんの方なんだから。



『私は信長様の寵姫じゃない』

これは本当だ。

……………只、私が勝手に信長様を愛しているだけ。

信長様の為なら、この身を焦がす事すら厭わない程に。

そして私のこの歪な想いには、信長様も気付いている。


この座敷牢に囚われる少し前、私は信長様に天主へ呼ばれた。

「……
 貴様、顕如を籠絡して来い。」

「顕如さん…ですか?」

「貴様は俺が目指している世を理解しておるな?」

「はい。
 天下布武……ですよね。」

「そうだ。
 その為には未だ未だ遣らねばならぬ事が多い。
 その上、武田や上杉が何時挙兵するのか読めぬ今は
 生き残りの坊主共に構っている暇は無いのだ。」

「だから……顕如さんを……」

「貴様が顕如を腑抜けさせておいて
 その隙を突き、俺達が坊主共を一網打尽にする。
 貴様が好まぬ血の流れる戦では無い。
 所謂、調略戦だ。
 ……遣れるか?」

「………どんな手を使っても構いませんか?」

緋色の瞳を見つめて問えば、信長様も真っ直ぐな視線で応えてくれた。

「実に貴様は面白き女子よ。
 益々手離し難くなった。
 貴様が俺の指顧を完遂した際には褒美をやらねばならぬな。」

「ご褒美……?」

「ああ……
 貴様が例え、どれ程に顕如の名残を持ち帰ろうとも
 その後は俺が生涯……
 貴様を骨の髄まで愛でてやる。」
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