第1章 溺れる復讐【イケメン戦国】
「………っ!」
大きく響いた物音に目を覚ます。
扉の方へ目を向けて見れば、そこにはいつも通りに朝餉が届けられていた。
知らない間に眠ってしまったんだな。
ぼんやりした意識のまま、私は朝餉に手を付ける。
監禁され始めた時には、どれ程の酷い扱いを受けるのだろうと怯えていたけれど、こうして日に3度食事は摂らせて貰える。
私が針子だという事も知っていたのか、座敷牢の中には裁縫道具も一式揃えてあった。
顕如さんの言った通り………
私は唯々、顕如さんの子供を妊娠する為だけに囚われているんだと痛感するばかりだ。
私の中に顕如さんの子が宿れば信長様の元に帰してやると言われた所で、それの何が復讐になるのか私には理解出来ない。
信長様と私が恋仲ではない以上、私が妊娠したとしてもそれは信長様の子じゃないのは明らかなんだし……。
それなのに、こうして閉じ込められて………
毎晩毎晩、子種を注がれ続けているんだ。
………怖い。
…………怖いよ。
何が怖いって………
毎晩顕如さんに貫かれる度……
その行為に快感を覚え始めている自分が……だ。