第4章 Destined future【イケメン戦国】
「家康殿?」
「ごめん。
迎えに行けなくてごめん。
あんたの方から来させる事に成ってごめん。」
繰り返し謝罪する俺の背中に姫の手が回り、労る様に擦ってくれた。
「いいえ。
謝らないで下さい。
だって竹千代君は徳川家康に成っても
私を忘れないで居てくれた。
其れだけで充分なんです、私。
其れに……
大事なのは此処から先の未来ですから。」
「此の先ずっと、俺と一緒に生きてくれるの?」
「はい。
私を最期まで家康殿のお側に置いて下さい。」
「やっぱり嫌だって言っても
もう離してあげられないけど……良い?」
「もう要らないって仰っても
離れませんけど、良いですか?」
「あんたって……本当に馬鹿だね。
要らないなんて、言う訳無いでしょ。」
「私もですよ。
嫌だなんて絶対に言いませんから。」
「……愛してる。
ううん……
ずっとずっと、愛してた。」
「家康……
最期まで貴方と共に。」
もう此の先は言葉なんて不要だ。
気が付けば俺と姫の唇は重なり、お互いの想いを貪る様に舌を絡め合っていた。