第4章 Destined future【イケメン戦国】
ねえ…………
《あんた》は覚えてる?
俺と《あんた》は初対面じゃない。
もうずっと昔、まだ俺も《あんた》も子供だったけれど………
俺は此所迄生きて来て、《あんた》を忘れた事は一度も無い。
子供の頃から随分と愛らしかったけど、今も其の面影は残ってるんだね。
予想以上に美しくなっているのは間違い無いけど。
真しやかに囁かれる《あんた》の風聞を耳にする度、俺がどんな想いだったか分かる?
《あんた》が何処かの大名に輿入れして仕舞うんじゃないかと内心は戦々恐々としてた。
其れでも未だ力の無い俺には《あんた》を迎えに行くなんて事は出来なくて……
何度も何度も、自分で自分を慰める夜を重ねた。
成長した《あんた》を想い描けば、あっと言う間に果てられたんだ。
其の《あんた》が今、俺の手の届く場所に居る。
想い描いた《あんた》より、ずっとずっと美しい姿で。
ああ、此の降って湧いた様な僥倖。
信長様には反論所か、感謝の言葉も無いな。
ねえ………
きっと俺はもう止まれない。
だから……赦してくれるよね?