第4章 Destined future【イケメン戦国】
「お初にお目に掛かります、織田信長様。
と申します。」
皆が集まる安土城の大広間で、信長様に向かって恭しく頭を垂れる姫。
噂通りの圧倒的な美貌には、あの光秀さんまでもが軽く息を飲む程だった。
でも肝心の信長様は姫にはまるで興味が無い様で……
「うむ。
其方の父御から話は聞いておる。
好きなだけゆるりと安土で過ごして行かれよ。」
いや、ゆるりと過ごしてちゃ駄目じゃないの?
姫の父御は、姫に信長様の御手が付くのを期待してるんだから。
信長様以外の皆がはらはらと落ち着かない中
「有難う御座います。」
と、姫は穏やかな笑みを浮かべていた。
「して……其方には申し訳ないが、俺は中々に忙しい身でな。
匆々其方に構っておられんのだ。
かと言って大切な客人である其方を放っておく訳にもいかぬ。
しからば其方へ世話役を付けようと思うのだが……」
信長様の奔放さには慣れてる心算だけど、まさか此所までとは。
自分の正室に…とやって来た姫を放ったらかしなんて。
信長様と姫に気付かれない様に小さく溜息を吐いた俺は……
「では、家康。
貴様を姫の世話役とする。」
信長様の突飛な宣言に、その吐いた息を飲み込む羽目になった。