第3章 傀儡-KAIRAI-【イケメン戦国】
「全員、面を上げよ。」
すっと頭を擡げた全員の視線が真っ直ぐに俺を見つめる。
其の顔をぐるりと見渡し、最後に光秀と視線を絡ませた。
「光秀……
貴様はの心内を読み切ったのだな?」
「はい。
彼れ程貴方に溺れる奥方様ならば……
守りたい物は《織田信長》唯一つであろうと。」
「善し。
見事である。」
ふとへと視線を向ければ、光秀に俺との睦事を見られた事を思い出したのか……
目を伏せて頬は紅く染まっている。
そんな可憐しい様を見せられれば、どうにも我慢出来ぬわ。
「貴様等の咎は無いとする。
されど俺を謀った事には違いない。
ならば其の責は……
一人に負って貰うとしよう。」
「信長様っ……それは……」
慌てる秀吉を片手を上げて制した後、俺は其の手をへと差し出した。
「……
今宵は仕置きだ。
寝かせてなど遣れぬぞ。
………覚悟は良いな。」
其の意味を悟った全員が息を飲み、表情を綻ばせる。
「来い。」
の手を引き立ち上がらせた俺が広間を出る間際には、光秀の酷く愉快そうな声が投げ掛けられた。
「信長様……
奥方様の御身の為にも……
どうか、程々に。」