第3章 傀儡-KAIRAI-【イケメン戦国】
夜明けと共に、政宗、家康、三成の三人も安土に戻って来る。
光秀の謀略により彼の国は抗う事もせず、拍子抜けな程容易に織田へ下ったそうだ。
安土城の広間にて報告を受けた後、俺は滔々と声を上げた。
「全員、揃っておるな。」
勿論其処にはの姿も在る。
「今回の企て、如何なる物であったのか説明してみせよ。」
其の瞬間、俺の前に出て膝を付き深々と頭を下げたのはだった。
「全て私一人の企てに御座います。
どうか此処に居られる皆様にはお咎め無き様。」
「ふん……
責は貴様一人で負うと申すのだな。」
俺が無造作にそう言い放つと、直ぐに声を上げたのは光秀だ。
「いいえ、信長様。
奥方様一人の企てでは御座いません。
奥方様から御実家の内情を伺った上で
私が策を練った謀なのです。
咎が有る可きは此の私……」
「そんなの光秀の策に乗って動いた俺達だって同罪だろ。」
光秀が言い終わらぬうちに声を上げる政宗。
其の隣では当然だと言わんばかりに家康と三成も大きく頷いていた。
そして跪いた儘のの横に並び、同じ様に頭を垂れるのは秀吉だ。
「申し訳御座いません、信長様。
信長様にお知らせしない儘、策を進めたのは我等が決した事。
奥方様が流した作為有る情報を信じ込み、
信長様御一人のみの動向に踊らされていた彼の国を欺く為。
奥方様は一貫して織田を裏切ったりは致しておりません。
ですから罰するのは我等だけと為て頂きたい。」
秀吉の言葉終わりで全員が俺に向かって傅く。
全く……此奴らには敵わぬ。