第3章 傀儡-KAIRAI-【イケメン戦国】
「其れだけでは御座いませんよ、兄上。
貴方の逃げ帰る場所は、御無事でしょうか?
父の命を奪ってまで掌中にした国は、
未だ残っているのでしょうか?
……何故、此の場に伊達政宗殿と徳川家康殿が
居られないのでしょうね?
ああ、石田三成殿も居られませんね。
戦力と智力を兼ね揃えた御三方が
今、何処に向かわれているのか………
お教えした方が宜しいですか?」
圧巻であった。
は謀反を企てた愚かな将を、一滴の血も流さず《言葉》のみで打ちのめしたのだ。
こうして……
「さようなら。
哀れな……兄上様。」
最後にが吐き出した言葉が合図であったかの様に、膝から崩れ落ちた男は己が引き連れて来た兵の手に依ってあっさりと捕縛された。