第3章 傀儡-KAIRAI-【イケメン戦国】
ふん……
光秀らしくも無い。
蛇の様な此の男でも、主君の奥を気遣う事が出来るとは少々驚く。
「其れで?
貴様は如何したい?」
「私に少しばかり、奥方様と語らう時間を戴ければ…と。」
光秀の事だ。
在れや是やと直接的に聞く心算では無く、下らない世間話でもしながらの腹積もりを読み取る気であろう。
其れを咎める気など更々無いが、どうせなら………
「は貴様が思っている程、底の浅い女では無い。
彼奴の腹の底は俺だとて読み切れぬ。」
「おや、信長様でも…ですか?」
大して意外でも無い様相で口角を上げた儘の光秀に、俺の醜悪な感情が沸々と沸いた。
「貴様の目の前でを乱してやろう。
表面を繕えぬの姿態を見て
どんな女であるのか貴様が見極めてみれば良い。」