第9章 豊臣の若紫【イケメン戦国】
俺と光秀が見つめる襖がそろりと開き、がおずおずとした足取りで部屋へ入って来る。
「どうしてが光秀の屋敷に……」
「俺が呼んでおいた。
娶りたい女を自身の傍に置いておきたいのは自然な事だろう?」
「だからっ……
光秀には渡さないとっ……」
「ならば、其の想いをへ伝えれば良いではないか。
秀吉の考えを聞いてから、
に選んで貰うというのが筋だしな。」
俯いた儘、上向けた視線で俺と光秀を交互に見遣る。
其の照れた様な、困り果てた様な……
とにかく桜色に染まった頬が何とも愛らしい。
「さて…では先ず俺の方から売り込ませて貰おう。」
そう言った光秀は腰を上げ、へと歩み寄りながら甘言を囁き始めた。