• テキストサイズ

keep as a pet【R-18 SS集】

第9章 豊臣の若紫【イケメン戦国】


安土を離れるのが不安なのか?

確かに顔も知らない男の元へ嫁ぐのは不安だよな。

「大丈夫だぞ、。
 お前は何も心配しなくても俺が全部御膳立てしてやるから。
 花嫁衣装も道具も俺が飛びっ切り上等な物を用意してやるからな。
 向こうが驚く程に立派な花嫁御寮として送り出してやる。」

「…………うん。」

其れでも未だの態度は変わらず……

いや、更に落ち込んでいる様に見えた。


「……心配事があるならちゃんと言えよ。
 俺はお前の兄貴として、立派に嫁がせてやりたいんだ。
 お前が此の先もずっと笑って居られる様に……」

「分かってる。
 全部秀吉さんにお任せするよ。
 全部、秀吉さんの言う通りにするから。」

俺の言い分を遮る様に放たれたの言葉に、何故だか胸が軋む。

今の俺とは歯車が擦れて仕舞って不快な音を発てる絡繰りの様だ。

そう為れば何を言えば良いのか分からず、押し黙る俺に向かってはぴしゃりと言い放った。

「ごめん。
 少し頭が痛いから、もう休みたい。」

「あ、ああ……そうか。
 分かった。
 酷い様なら家康に薬を貰ってやるからまた言え。
 ……暖かくして寝ろよ。」

明白に避けられているのを感じながら、俺はいつも通りにの頭を撫でて部屋を出た。





「此の先もずっと……
 笑える訳ないじゃない。
 秀吉さんの………馬鹿。」
/ 190ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp