第7章 下拵え【薄桜鬼】
「あっ……」
身体を吊っている絹紐を緩めて滑車を滑らせれば、はかくんと崩れ落ち膝立ちの状態になる。
其の愛らしい顔の前には不知火の股間があり、洋袴から抜き出された陰茎がの頬をずるりと撫でた。
「さあ、……
あんたの口だけで、此れをおっ勃ててみろよ。」
未だ半勃ち状態の陰茎をじっと見つめたまま喉を鳴らす。
そんなを見遣り、さあ、どうするのだ…と口角を上げる俺。
然も当然の様に陰茎を曝け出し、これでもかとを煽る不知火。
三者三様の思惑が渦巻きひりひりとした空気が漂う中、最初に動いたのはだった。
「んぅ………」
目前に突き付けられた陰茎に、おずおずと舌を這わせ始める。
の愛らしい口から伸ばされた紅い舌先がちろちろと動く様は其れだけでも充分に唆るのだが、不知火は更に乱暴な口調でを煽った。
「オイオイオイ……
そんなんじゃ勃ちゃしねえよ。
子種が欲しけりゃもっと貪欲に貪らなきゃなァ。」
両腕を背後で括られているに使えるのは唇と舌のみだ。
掌で扱く事も出来なければ、指先で擽る事も出来ない。
初っ端から高難度の性技を求められたを気の毒に思わぬ事も無いが……
其れでも俺は見てみたいのだ。
淫靡に乱れる《我が妻》を……。